当院では、苦痛の少ない鼻からの胃カメラ(以下 経鼻内視鏡)を行なっております。
口からの胃カメラは挿入時に「オエッ」とした反射が誘発され苦痛の原因となりますが、カメラを鼻から入れることによって検査の苦痛を大きく緩和することが可能です。過去に口からの胃カメラを受けた経験のある患者さんが経鼻内視鏡検査をうけると、殆どの患者さんは次回からも経鼻内視鏡を希望する傾向にあります。
経鼻内視鏡は通常の内視鏡に比べて細く設計されているため、口からの太いカメラに画質が及ばないという欠点がこれまではありました。そのため胃の精密検査は原則として口からのカメラで、経鼻内視鏡は検診が主な活躍の場になっていました。
しかしながら内視鏡メーカーの尽力と技術の進歩により、近年の経鼻内視鏡の画質は飛躍的に向上しました。
画像提供:オリンパスマーケティング株式会社
当院ではオリンパス社製の最新経鼻内視鏡N1200シリーズを導入しております。
図のように従来内視鏡に比して画質が向上し、通常の太い経口内視鏡の画像に劣らないレベルにまで至っております。
当院では鎮静剤使用での内視鏡は行なわず、経鼻内視鏡での検査を行なっております。
以下、鎮静剤使用下の内視鏡検査と経鼻内視鏡検査のメリットとデメリットについて説明いたします。
胃カメラ検査の苦痛を軽減する方法として鎮静剤を用いた内視鏡が普及しました。
検査前に鎮静剤を静脈注射した上で胃カメラを行ない、検査終了後に拮抗薬(鎮静を解除する薬)を注射する方法です。
鎮静のメリットは何よりも検査の苦痛を大きく軽減できる、厳密にいうと苦痛があったことを憶えていないことです。実際、胃カメラをしている最中はいくら鎮静剤を使用したとはいえ体には負担がかかります。中には検査中に苦しくて暴れてしまう患者さんもいらっしゃいますが、その間の記憶が曖昧なため苦痛が軽減でき結果的には楽に検査を受けられたと感じることになります。
デメリットとしては鎮静剤の副作用である呼吸抑制(状況によっては酸素投与が必要な場合もあります)や血圧低下、不整脈等の負担です。高齢者においてはこれらの副作用が顕著に現れる場合もあり注意が必要です。また前向性健忘といって鎮静から覚めた後に起こったことも記憶にとどまらない場合があります。
さらに、検査当日は自転車や車の運転は危険を伴うため原則としてはできないというデメリットがあります。
経鼻内視鏡のメリットは経口内視鏡に比べて検査の苦痛を緩和できるだけでなく、医師とコミュニケーションがとれることにあります。
鼻から内視鏡が挿入されているため検査中に医師と話すことも可能です。また検査の結果は検査後当日に検査医より直接聞くことが可能ですし、自転車や車の運転も検査後にすることがもちろん可能になります。胃カメラの検査は通常午前中に行なうため、お仕事をしている方は仕事を1日休まずに検査ができることが最大のメリットと言えます。
デメリットは内視鏡時の苦痛を軽減する効果は鎮静剤使用にはおよばないという点でしょう。また、鼻の構造によっては経鼻内視鏡が入りづらいケースや挿入時の鼻の違和感、まれに鼻出血のリスクがあります。
何よりも胃カメラの負担を軽減したいという方や検査に対する恐怖心が強い方には、やはり鎮静剤使用での胃カメラが第一選択になるでしょう。特に歯磨きの際に歯ブラシを口にいれただけで「オエッ」としてしまうような方は、いくら鼻からカメラを入れても苦痛の軽減には限界があるため鎮静下の内視鏡が適していると言えます。そのような方は当院でも鎮静剤使用で検査を行なっている施設を積極的にご紹介しております。
経鼻内視鏡は検査日の検査後の時間を有効に使いたいお仕事中の方、検査当日に自転車を含めて運転をしなければいけない方や高齢者には適していると言えるでしょう。
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